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注目される 家族信託
家族信託 とは
家族信託 とは、認知症や相続対策として利用されている法的制度です。認知症などにより判断能力が低下し財産管理や相続対策ができなくなることの備えとして、信頼できる家族に財産を託し、本人の希望に沿った財産管理や処分を家族に任せる仕組みです。
過去に家族信託についてまとめた記事がありますので、下記に掲載します。
家族信託についてさらに詳しく知りたい方はご一読ください。
家族信託が注目される理由
年齢が上がるにつれて認知症になる確率も上昇し、その認知症などで意思能力を失ってしまうと、財産が動かせなくなります。

厚生労働省の「令和2年 介護保険事業状況報告」によると、要介護認定者数は65歳から74歳で全体の1割強ですが、75歳以上になると急増、認知症についても同じように年齢が上がるにつれて急増します。
認知症にならなければ、それが一番良いのですが、内閣府の「平成29年(2017年)版 高齢社会白書」よると、2012年における認知症有病率は65歳以上の高齢者のうち約7人に1人だったのですが、2025年には約5人に1人まで増加すると予測されています。
誰しも「自分や自分の身内が認知症になるかもしれない」ということは考えたくないですが、65歳以上の高齢者のうち約5人に1人という数字は「自分は大丈夫!自分の親はならない!」と言い切れるような確率ではないと思います。
実際、私たちも両親が所有している不動産を売却したいというお客様(息子様)からご相談を受けましたが、その方のお父様(共有名義で不動産の所有者の1人)は相談に来られた時点で認知症により意思能力を失っており、どうしても売却することが困難なため、売却を断念したケースがありました。
このような状況になると、方法は「法定後見制度で売却する」か「実際に相続するまで待ち売却する」か「売却しない」のどれかになります。このご相談に来られたお客様は、「いつになるかはわからないが実際に相続するまで待って売却する」という選択をされました。
「法定後見制度での売却」
法定後見制度での売却となると、家庭裁判所に申請を行い後見人を裁判所が選びます。
この後見人には親族、弁護士、司法書士、社会福祉士、福祉関係の法人などが選ばれ、後見人になることを希望していた親族が選ばれなかったとしても、不服を申し立てることはできません。
居住用の不動産を売却する場合、本人にとって重要な財産なので、家庭裁判所の許可が必要となり、弁護士や司法書士が後見人になった場合は、毎月報酬を支払う必要があります。その報酬額は財産の額やその他の事情を考慮し、家庭裁判所が決定します。東京家庭裁判所が公表している「成年後見人等の報酬額の目安」では、基本報酬は月2~6万円となっていますが、管理する財産額に応じて報酬は変わります。後見人には年に1回裁判所への報告が義務付けられています。なお、不動産を売却できたからといって、法定後見制度を途中でやめるということはできません。基本的に本人がお亡くなりになるまで継続することになります。
このように「法定後見制度での売却」はできないことはありませんが、人によっては「難しい・負担が大きい」と感じる方がいらっしゃるのも事実です。私の経験上ではありますが、どうしても売却を進める必要がある場合以外は選ばれにくい制度ではないかと思います。
このように認知症で意思能力を失ってしまうと、その方が所有している不動産を売却することが難しくなってしまいます。今、こうしたリスクを回避するために家族信託が注目され始めています。
家族信託はどのような場合に利用するのか?
では、どのような場合に家族信託を行うのか、具体的な例を見ていきましょう。
【CASE1】資産凍結のリスクに備えたい
高齢の父がいるAさんは、父を「委託者」兼「受益者」、Aさんを「受託者」とし、金銭を信託した。この先、万が一父が認知症になった場合でも生活費用や介護費用を父の資産から捻出できるように対策を行なった。
【CASE2】将来、空き家となる可能性がある実家のスムーズな売却のため
実家に1人で住む母がいるBさん、母を「委託者」兼「受益者」、Bさんを「受託者」とし、実家を信託しました。この先に母が万が一認知症になり、施設などに入居することになった場合でも、Bさんの判断で実家の管理や売却を行えるよう対策を行なった。
【CASE3】保有する賃貸不動産の管理や運用を子供に任せたい
賃貸不動産を保有している父がいるCさんは、父を「委託者」兼「受益者」、Cさんを「受託者」とし、賃貸不動産を信託した。この先父に万が一のことがあっても、父はこれまで通り家賃収入を受け取りながら、賃貸不動産の管理や修繕、建て替え、売却などはCさんが行えるように対策を行なった。
家族信託を行う場合の流れ
次に家族信託を行う場合の流れをおおまかにご紹介します。
家族信託をする場合、以下のような流れで手続きを進めることになります。
1.信託契約を締結
委託者(親)と受託者(子)で信託契約の内容について取り決めをし、契約書を取り交わします。契約書に記載する内容はそれぞれ自由に決めて問題ありませんが、主に以下のような項目について取り決めを行います。
・信託の目的
・信託財産の範囲
・財産の管理方法や処分権限の範囲
・受託者・受益者が誰か
・信託の終了事由
2.信託財産管理用の銀行口座を開設
受託者には、自分の財産と信託財産を分別して管理する義務があるため、信託財産管理用の銀行口座を開設する必要があります。受託者自身の生活用口座と分けて管理する方が、あとあと問題になりにくい点もメリットです。信託銀行や銀行、信用金庫の中には、家族信託専用の口座が開設できるところもあります。
3.信託登記を行う
信託財産が不動産の場合は、信託財産であることを公示するために名義人を委託者から受託者に変更する登記を行う必要があり、この登記はほとんどの方が司法書士に依頼をして行なっています。
4.信託財産の管理、運用の開始
ここまでの手続きがすべて終われば、信託財産を管理、運用することができるようになります。それと同時に、信託財産を管理する義務も生じます。
家族信託にかかる費用
家族信託にかかる費用は以下のようなものになります。
【自分で家族信託をする場合にかかる費用】
・信託契約書を公正証書にする場合:1万円〜5万円
・不動産の登録免許税:固定資産税評価額の1,000分の4
※土地信託の場合は固定資産税評価額の1,000分の3
【外部に家族信託の組成を依頼する場合にかかる費用】
上記費用に加えて専門家に支払う報酬は信託する財産の1%以上は見ておいた方がいいでしょう。例えば、4,000万円の1%以上は40万円以上になります。
専門家に支払う報酬については、統一の報酬基準はありません。ただ、私が家族信託を利用するのであれば、利用者である私と関係を維持するよう定期的に連絡をくれて、予想外の事態が生じた場合であっても対応してくれる専門家に相談したいと思います。しかも、その関係は今後何年も続く可能性がありますので、依頼する専門家が契約後、お金を払った後もきちんとサポートをしてくれるのかという点はしっかりと確認し、選んでいく必要があるでしょう。
家族信託の注意点
◾️認知症対策を目的とした場合、家族信託だけでは不十分です。家族信託には、入居契約等を代理する権限(※身上監護権)がないためです。また、遺言効果も家族信託した財産にしか及びません。他に財産があった場合には、相続人の間で遺産分割協議をしないと分けられません。そのため、家族信託契約と任意後見契約、遺言はセットで準備しておくと、互いの不十分な箇所をカバーできるため、想定外のことが起きても対応できる範囲を広げることができます。
※身上監護権とは対象者の代わりに、生活・医療・介護などの契約手続きを進める法律行為を行える権利のことです。
◾️関係者全員に周知し家族信託を理解してもらう必要があります。推定相続人等を含めた関係者全員に周知して、理解を事前に得ておくことがとても重要です。この知らされていなかったということがトラブルに発展する原因(「教えてくれなかった」、「勝手に進められた」という負の感情を抱かせてしまうこと)になりかねないです。関係者全員が納得して進めていくことが、将来の紛争を予防します。どうしても関係者全員で話すことができない場合は、専門家に相談することをおすすめします。家族間のトラブルを予防する方法を一緒に考えてくれます。
※上記以外にも祖父母や両親に家族信託契約の同意を取りにくいことであったり、注意することやデメリットはあります。
まとめ
日本は他国に例を見ない勢いで高齢化が進んでおり(日本の高齢化の記事についてはこちら)、平均寿命も上昇しています。少子化や人口減少なども進んでいますので、今後も高齢者は増えていき、それに伴い認知症患者の数も増えていくと予想されます。
必ずしも「認知症=意思能力がない」というわけではなく、程度により意思表示ができる場合もあります。ですが、認知症が進行して意思能力を失ってしまうという可能性は常にありますし、いつそうなってしまうかはわかりません。そうなってしまうと、不動産を売却したい場合の選択肢は「法定後見制度で売却する」か「いつになるかわからないが実際に相続するまで待って売却する」か「売却しない」のどれかになってしまいます。
法定後見制度で売却するよりかは、家族信託の方が手間がかからず柔軟に売却することができるので、今後そういったシュチュエーションが考えられるという方は家族信託の検討や利用をおすすめします。
相談に来られる方は、子どもの世代が50代や60代、親の世代は70代や80代が多い印象です。
・「最近、父に認知症の症状が出てきた」
・「親から財産管理が不安だと相談された」
・「父は大丈夫だが、母が認知症で施設に行っている」
相談に来られるきっかけは上記のように様々ですが、財産の所有者に意思能力があるうちに「家族信託」の利用を検討される方、実際に家族信託を行う方が増えています。年々、注目度も上がっていると思います。ここまで見てきたように家族信託は、所有者が認知症になってからではできない対策になります。まずはご自身でネットや書籍などで調べてみることをおすすめしますが、分からないことがあれば、私たちにお気軽にご相談ください。
ご相談は完全に無料です。私たちは不動産会社ですが、当社には「上級相続診断士」が在籍しており、相続に対してしっかりとした助言を行えます。もちろん、家族信託についても「上級相続診断士」がご相談をお伺いします。その後ご希望であれば、家族信託の経験が豊富な専門家(司法書士)のご紹介を行ないます。
当社の上級相続診断士のご紹介

| 営業部 | 不動産(売買、仲介) |
| 資格 | 宅地建物取引士 上級相続診断士 |
| 出身地 | 兵庫県美方郡新温泉町浜坂 |
| 好きな食べ物 | 魚 |
| 血液型 | O型 |
| 趣味 | 不動産の営業に携わって30年以上になります。 大阪建設株式会社の加藤に相談して良かった と喜んでいただけますよう一生懸命頑張ります。 よろしくお願い致します。 |
※「上級相続診断士」とは、相続の基本的な知識を身につけお客様に相続診断が出来る資格です。「相続」が「争族」にならないように、笑顔で相続を迎えるお手伝いをいたします。上級相続診断士®認定者情報はこちら

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