不動産業の離職率

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不動産業の離職率

住宅購入の際、やり取りした営業に久しぶりに連絡をとったら、辞めていたなんて話は、実際に聞いたことがありますし、ネット上でも不動産業界は離職率が高いだとかブラックだとかいう記事を目にします。では、本当にそうなのか、実際の不動産業の離職率はどの程度なのか見ていきたいと思います。

新社会人の入社後3年以内の離職率

ここ数年の新成人の数は120万人前後になります。今後は少子化の影響もあり、減少していくでしょう。この120万人全てが一斉に就職するわけではありませんが、毎年の新社会人もそれに近い数になるのではないでしょうか。

例えば、2017年は約90万人が就職し、新社会人になったようです。この新社会人も少子化、働き方の多様化、AIの影響や社会の変化などで減少していくでしょう。まずは、この90万人近い新社会人が3年以内に離職する確率を見ていきたいと思います。

高卒就職者(2017年3月卒業者)の不動産業、物品賃貸業の離職率は43.8%

大卒就職者(2017年3月卒業者)の不動産業、物品賃貸業の離職率は34.2%

不動産業といっても、売買、仲介、管理、駐車場の賃貸など様々なものがありますし、仕事の内容も営業や事務など色々とあります。また、物品賃貸業(産業用機械器具、事務用機械器具、自動車、スポーツ、娯楽用品、映画、演劇用品などの物品を賃貸する事業所など)も含まれていますので、わたしたちのような不動産会社に入社したら、3年以内に高卒なら43.8%、大卒なら34.2%は離職すると単純に言えませんが、3年以内に100人中39人程、辞めていくというのは結構な数だと感じました。

では、不動産業、物品賃貸業以外の業種はどうなっているのか、下記に離職率の高い順にご紹介します。

新規高卒就職者の3年以内の離職率(2017年3月卒業者)

宿泊業、飲食サービス業64.2%
生活関連サービス業、娯楽業59.7%
教育、学習支援業55.8%
その他55.4%
小売業49.5%
医療、福祉47.0%
建設業45.8%
不動産業、物品賃貸業43.8%
サービス業(他に分類されないもの)43.8%
情報通信業40.8%
卸売業40.5%
学術研究、専門・技術サービス業39.5%
運輸業、郵便業36.1%
複合サービス事業30.7%
製造業29.2%
金融、保険業28.4%
鉱業、採石業、砂利採取業23.7%
電気・ガス・熱供給・水道業12.0%
調査した全ての産業の平均値39.5%

新規大卒就職者の3年以内の離職率(2017年3月卒業者)

その他64.5%
宿泊業、飲食サービス業52.6%
生活関連サービス業、娯楽業46.2%
教育、学習支援業45.6%
小売業39.3%
医療、福祉38.4%
サービス業(他に分類されないもの)37.2%
不動産業、物品賃貸業34.2%
学術研究、専門・技術サービス業33.7%
卸売業30.4%
建設業29.5%
情報通信業29.4%
複合サービス事業27.6%
運輸業、郵便業25.6%
金融、保険業24.8%
製造業20.4%
鉱業、採石業、砂利採取業14.0%
電気・ガス・熱供給・水道業11.4%
調査した全ての産業の平均値32.8%

「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)を公表します」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/11652000/000689481.pdf)をもとに大阪建設株式会社が作成

高卒就職者の全ての産業の平均値が39.5%になり、大卒就職者も32.8%となっていますので、不動産業、物品賃貸業は平均値より、どちらもやや高い結果になりました。この結果からも分かるように、不動産業の離職率がとても高いという訳ではないことが分かります。そのことよりも、個人的には全業種の3年以内の離職率の平均値の高さを見て、一般的にこれくらいは辞めるということに驚きました。

ここまでは新社会人の入社から3年以内の離職率をみていきました。次は雇用動向調査を見ていきます。この調査も厚生労働省から発表されています。

令和2年の雇用動向調査

毎年、調査結果が発表されています。令和2年の雇用動向調査の場合は全国の15,184の事業所を対象に入職者は52,481人、離職者は63,795人からアンケートの回答を得ています。下記がその調査結果である業種別の離職率です。

宿泊業、飲食サービス業26.3%
サービス業(他に分類されないもの)19.3%
生活関連サービス業、娯楽業18.4%
教育、学習支援業15.6%
不動産業、物品賃貸業14.8%
医療、福祉14.2%
運輸業、郵便業13.3%
卸売業、小売業13.1%
学術研究、専門・技術サービス業10.3%
電気・ガス・熱供給・水道業10.0%
建設業9.5%
製造業9.4%
情報通信業9.2%
複合サービス事業7.8%
金融、保険業7.7%
鉱業、採石業、砂利採取業5.6%

「-令和2年雇用動向調査結果の概況-」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/gaikyou.pdf)をもとに大阪建設株式会社が作成

不動産業、物品賃貸業は14.8%となり上から5番目になります。宿泊業、飲食サービス業は先程の3年以内の離職率でも上位に来ていて、それと比較すると、低いようにも感じます。また、先程の3年以内の離職率の不動産業、物品賃貸業の数字と比較しても、低いようにも感じますが、年間で14.8%ですので、それなりの数字ではないでしょうか。

まとめ

今回は新社会人の3年以内の離職率と雇用動向調査から不動産業の離職率はどの程度なのかみていきました。近年、どちらの調査も離職率の数字に大きな変化はなく推移していて、平均的にこれくらいの確率で離職するということが分かりました。

不動産業の離職率はその平均と比べて、やや高い程度でしたので、不動産業の離職率が飛び抜けて高い訳ではないと分かりました。ただ、どうしても不動産業界というとノルマがあるとか、ブラック企業だというようなイメージを持たれる方も一定数いるでしょうし、実際、そのような会社も存在するかもしれませんが、どの業界にもそのような会社は存在するのではないでしょうか。就活生としてなのか、顧客としてなのか、取引先としてなのか、どういった立場で関わるのかでも見え方は違ってくるでしょうし、そういった会社をはたから見分けるのは難しいと思います。

最近では口コミやSNSなどである程度、どんな会社なのか自分自身で調べられる手段も増えてきましたので、どんな立場で関わるにしろ、関わる前にその会社を調べてみるというのも一つの手かもしれません。

この記事を書いたスタッフ

営業部不動産の売買、仲介、賃貸、管理
ウェブサイト等の編集、広告
資格宅地建物取引士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
出身地大阪市港区
趣味サッカー(観戦)、ゲーム
フットサル、読書
アニメやドラマや映画の鑑賞

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