中古マンションの保有リスク

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中古マンションの保有リスク

今回は中古マンションの保有リスクについて記事にしました。「中古マンションの購入を検討している方」や「中古マンションを保有していて、この先どうしようか迷っているという方」の参考になると思います。マンションは住み続けたら一体どうなるのか?などという将来のことについて、購入時には考えられなかったという方も多いと思います。早速、中古マンションの現状から見ていきましょう。

中古マンションの現状

2021年末時点で、築40年以上のマンションは115.6万戸(マンションストック総数約685.9万戸の約17%にあたる数)で10年後には約249万戸、20年後には約425万戸となる見通しのようです。マンションストック総数とは、日本全国に既に建築済みの中古マンションの戸数の総数のことです。以下の表は国土交通省の「築後30、40、50年以上の分譲マンション戸数」から引用しています。

※現在の築50年以上の分譲マンションの戸数は、国土交通省が把握している築50年以上の公団・公社住宅の戸数を基に推計した戸数。
※5年後、10年後、20年後に築30、40、50年以上となる分譲マンションの戸数は、建築着工統計等を基に推計した2021年末時点の分譲マンションストック戸数及び国土交通省が把握している除却戸数を基に推計したもの。

下記の表は国土交通省の「分譲マンションストック戸数」をそのまま引用したものです。

1.新規供給戸数は、建築着工統計等を基に推計した。
2.ストック戸数は、新規供給戸数の累積等を基に、各年末時点の戸数を推計した。
3.ここでいうマンションとは、中高層(3階建て以上)・分譲・共同建で、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨造の住宅をいう。
4.1968年以前の分譲マンションの戸数は、国土交通省が把握している公団・公社住宅の戸数を基に推計した戸数。

上記の表から見てわかるようにストック戸数は右肩上がりで、今のままの状況だと、増えていく一方だと考えられます。新規に供給されるマンション戸数もこの表を見る限り減少するようには思えません。実際、空き家やストック戸数の増加というような問題は以前から指摘されていましたが、ここ数年の新規供給戸数を見てもほとんど100万戸前後で、減る気配はないように思えます。また、これに人口減少などを踏まえると、ストック戸数が減っていくとは考えにくいのではないでしょうか?

とにかく、どこまで増えるかわかりませんが、今後も「ストック戸数」は増え続ける可能性があり、「築後30、40、50年以上の分譲マンション戸数」も増え続けるということになります。立地や環境など様々な要因があるとは思いますが、こうなってくると、買い手からすれば、売り物件が溢れている状態の中で、買いたいエリアに新築マンション又は、築浅マンションがあれば、それを買いたいと考えるのが自然でしょう。

つまり、近い将来「築後30、40、50年以上の分譲マンション」の需要は今よりなくなっていくのではないかと個人的には思います。

マンションは住み続けたら、どうなるのか?

また、マンション自体はどれぐらい住めるのか?マンションは住み続けたら、どうなるのか?疑問に思っている方もいると思いますので、一般的な話にはなりますが、お伝えします。(マンションにはどれぐらい住めるのか?については、過去に「住宅の寿命」という記事を書いていますので、そちらを参考にしてください。)

マンションは住み続けたら、どうなるのか?一般的には下記のようなケースが考えられます。建替の案が出る前に売却するという選択肢は除外しています。

■建替え
日本最初のマンションが誕生したのは今から約60年前です。国土交通省によると、国内で建替えられたマンションの実績数は、2020年までで254件とされています。2021年4月1日時点においては、累計で263件となり、2021年に建て替えられたマンションは全国でたったの9件ということになります。この少ない事例の中でも、これまで実現した建替えは小規模な場合が多く、事例全体の約8割が100戸以下となっています。

なぜ、これほど建替えが少ないのか?以下に理由を説明していきます。マンション建替えのためには、そのマンションに住む区分所有者の5分の4以上の決議が必要となります。これを「建替え決議」と呼びますが、まず、この建替え決議を取ることが極めて困難な作業になります。また、建替えをするには、建替え期間中、所有者は他の家に引っ越す必要がありますし、他にも修繕積立金を多く徴収されるケースなど、区分所有者の経済的な負担やその他の負担は大きいです。マンションごとの事情や状況で変わってきますが、建替えをするための区分所有者の実質的な負担額は、一般的に1戸あたり1,000〜2,000万円程度とされています。古いマンションには年金生活を行っている高齢者も多いため、区分所有者に一定の経済的負担を負わせる建替えは、合意が得られないことが多々あります。その他にも理由はありますが、建替えを実現することは決して簡単なことではありません。(※敷地が広い、容積率に余裕があるなどのマンションは負担金を少なくできる可能性があります。簡単に言うと現状よりも戸数を増やし、その増床した部屋を売却し、その売却益を建替え費用に充てることが出来ます。)建替えの案が出てから建替えが完了するまでには、相当の期間を要します。過去の事例でも10年以上かかっているものもあり、10年程度はかかると予想されます。

■建替えは決まったが、再入居せずに立ち退く
仮に建替え決議が5分の4以上の賛成で可決され、建替えが決まった場合でも、その時点で反対者が0ということは考えにくく、最大で5分の1の反対者は存在することになります。その反対者に対しては、建替え組合による売渡請求という手続きが存在し、売渡請求を受ければ、そのマンションを時価で売却することが可能です。ただし、建替えが必要なマンションの時価はかなり安いと考えられますので、反対して立ち退くという選択肢は一度冷静になり、慎重に考えて選ぶことをおすすめします。
■大規模修繕
建替えをしないマンションでは、定期的な大規模修繕を継続していくことが最も現実的な選択肢だと考えられます。大規模修繕であれば、今まで積み立ててきた修繕積立金の中で実行できる可能性もあります。バリアフリー工事や防犯カメラの設置などという工事は区分所有者及び議決権の2分の1以上の普通決議で実行できるため、住民の賛同というハードルも建替えに比べれば低いです。
■マンションの敷地売却
マンション敷地売却制度というものがあり、この制度は資金不足で建替えができないマンションを都道府県知事の認定を受けた買受人(マンションのディベロッパーなど)が買い受けてくれる制度のことです。建替えではなく、全体を売却することから資金がなくても実行することが可能です。ただ、敷地を売却するには区分所有者の頭数、議決権および敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の賛成が必要となり、建替え決議と同等の数が必要となり、簡単に決定できるものではないと考えられます。
■外部不経済を生じるマンションになってしまう
適切な維持管理が行われずに居住者・近隣住民等の生命・身体に危険を生じるマンションになってしまう。実際に外壁が剥落したなどの事例は発生し始めています。老朽化、空室が増えていくと、管理費や修繕積立金の確保ができなくなり、維持管理が難しくなっていきます。こうなってくると状況が好転することは難しくなります。また、建替えや大規模修繕が必要な時期に入ったが、何らかの理由でできないとなると、このような状況に陥ってしまう可能性もあります。

建替えなどの決議要件

下記の表は、マンションの再生手法(改修・建替え・マンション敷地売却等)の決議要件になります。国土交通省の資料をそのまま引用しています。

戸建ての場合、自宅を解体する、建替える、敷地の売却などほとんど自由にできますが、区分所有のマンションの場合、そのマンションに住む住民の同意が必要となります。新築で購入する場合、これらのことはそれ程考えなくても良いのかもしれませんが、中古マンションの場合は、築年数や大規模修繕の予定、購入時の自身の年齢や住宅ローンを組むのかなど様々なことを考えて購入する必要がありそうです。

下記URLは「マンション政策の現状」という国土交通省の資料です。https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001315032.pdf

まとめ

築古のマンションが増えてきている状況の中、それを保有するリスクはどの程度あるのか、ある程度理解していただけたと思います。購入を検討する場合は、区分所有等に関する法律の影響などを理解しておく必要があり、また、マンションの劣化具合、マンションの居住者の減少があるかどうか、管理組織が機能しているかどうか、大規模修繕などの予定はあるか、容積率の確認やマンション敷地が広いかどうかなども検討するうえでのポイントにしていただきたいです。

この記事を書いたスタッフ

営業部不動産の売買、仲介、賃貸、管理
ウェブサイト等の編集、広告
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2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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